ホームレス資料センター

特定非営利活動法人 ホームレス資料センター

〒171-0021 東京都豊島区西池袋5-26-16 CHIBAビル402
TEL・FAX 03-6905-8656
ブログ

「健康のしおり」社会的仕組みを活用しよう

kenkou

このしおりは東京都共同募金会の助成を受けて作成しました。
炊き出しや夜回りをしておられる団体にお願いしたり、ひまわりの会が直接配布したりしています。
*冊子は、pdfでの提供となりますので下記の該当内容をクリックして閲覧してください。

ホームレス・生活困窮問題に関する論文情報(2013年~)

国立国会図書館OPACより
論文名 著者 誌名 巻号 発行年月
ホームレスの健康と自立への生活環境整備の課題(2) 三好禎之、中尾治子、井川淳史 他 名古屋産業大学・名古屋経営短期大学環境経営研究所年報 12 2013.3
脱ホームレス支援から組み立てる新しい地域のセーフティネットの生成(特集 生きる「場」と関係の創出:社会的包摂を可能とする地域福祉) 水内俊雄 地域福祉研究 41
判例研究 社会保障法判例路上生活をしていた男性が福祉事務所に対してなした生活保護開始申請を(以下略) 菊池馨実 季刊社会保障研究 Vol.49 No.2 Autumn‘13
ホームレスの日常生活における被害とトラウマ:釜ヶ崎調査の分析 篠原清夫、ゲルトF.キルヒホッフ、津田葵 三育学院大学紀要 5(1) 2013
北海道におけるホームレスの現状と課題 山内太郎 札幌国際大学紀要 44 2013
台北における遊民支援の制度的枠組みと補完的生活支援 中山徹、山田理絵子 社会問題研究/大阪府立大学人間社会学部社会福祉学科[編] 62(141) 2013.1
ホームレスの人々に必要な「ハウス」と「ホーム」(人と人をつなぐ実践) 北九州ホームレス支援機構 月刊福祉 96(2) 2013.2
ホームレスの健康調査とアルコール問題:文献検討 松井達也 太成学院大学紀要 15 2013.3
社会福祉研究における「他者理解」の体験学習:「ホームレス」になって感じ得ること 金子充 立正社会福祉研究 14(2)(通号 26) 2013.3
地域を支える(717)さいたま自立就労支援センター 厚生福祉編集部 厚生福祉 5974 2013.3
ホームレス状態に陥った知的障害者のライフコース研究 中野加奈子 佛教大学大学院紀要 41 2013.3
人の強制立退き手法の法的課題:ホームレスの強制立退きを題材として(上) 金井恵里可 地方自治 784 2013.3
ホームレス状態の解消と持続する排除:社会的包摂志向のホームレス対策に向けて 山田壮志郎 日本福祉大学社会福祉論集 128 2013.3
“卒業”10周年を経た 新潟駅ホームレス生活記 財界にいがた編集部 財界にいがた 25(3)(通号 287) 2013.3
ホームレス“青空DOTS”の意義:治療困難事例への路上におけるDOTSの経験 齊藤礼子、高尾良子、深澤啓治 他 Kekkaku 88(4) 2013.4
ホームレスコミュニティによる共同自立に関する研究 矢野淳士 居住福祉研究 15 2013.5
ホームレスと共に歩んだ「ビックイシュー」の十年。 佐野章二 談 東京人 28(5)(通号 324) 2013.5
ホームレス支援施設は迷惑施設か?(特集 NIMBYを考える) 藤田孝典 住民と自治 (601) 2013.5
自立に向けて何が必要なのか:ホームレス就労支援:(人と人をつなぐ実践) 月刊福祉編集部 月刊福祉 96(7) 2013.6
生活困窮者支援の取組み実践(特集 法制度に向き合い続ける精神保健福祉士の価値) 瀧脇憲 精神保健福祉士:日本精神保健福祉士協会誌 44(2)(通号 94) 2013.6
大阪における生活困窮者レスキュー事業の実践成果と今後の課題(特集 貧困に立ち向かうコミュニティソーシャルワークの新たな展開) 片岡哲司、西垣千春 コミュニティソーシャルワーク (11) 2013.6
ソーシャル・ワークとしての就労支援への挑戦:パーソナル・サポートセンターをはじめとする豊中市の取り組みから(特集 生活困窮者支援のいま) 西岡正次 月刊「ヒューマンライツ」 (304) 2013.7
生活困窮者支援における「生活の拠点」づくりの意義と課題:沖縄・NPOによる住宅確保のとりくみから 高木博史 長野大学紀要 35(1)(通号 128) 2013.7
社会的包摂をどう実現するか:排除の構造を超えて(特集 生活困窮者支援のいま) 宮本太郎 月刊「ヒューマンライツ」 (304) 2013.7
対象を限定しない相談事業のなかで見えてきた生活困窮者支援の課題(第29回研究大会共通論題シンポジウム・パネルディスカッション記録 地域再生に向けた社会保障のあり方) 朝比奈ミカ 生活経済学研究 38 2013.9
生活保護政策とぼくらの支援(改正生活保護法と生活困窮者自立支援法を問う) 川村遼平、大西連 Posse 20 2013.9
生活困窮者自立支援法で自立は可能か?:本当に必要な自立支援とは何か(改正生活保護法と生活困窮者自立支援法を問う) 渡辺寛人 Posse 20 2013.9
生活困窮者支援と民生委員(特集 地域で活躍する民生委員・児童委員) 中島修 月刊福祉 96(10) 2013.9
大田区での水際作戦 何が起きたのか、何が問題か(改正生活保護法と生活困窮者自立支援法を問う) POSSE生活相談チーム Posse 20 2013.9
生活保護利用者の生活実態と福祉事務所職員の役割(特集 生活保護利用者はふつうに生きてはダメなのか?) 寺内克憲 福祉のひろば 163 2013.10
高齢者・障がい者・ホームレスに対する法律援助(特集:法律援助事業:国費・公費化に向けた3年間とその到達点) 江野尻正明 自由と正義 64(10) 2013.10
ホームレス問題も含め地域の諸問題解決をめざす:埼玉県 特定非営利活動法人 ほっとポット(人と人をつなぐ実践) 月刊福祉編集部 月刊福祉 96(13) 2013.12
書評論文 後藤広史著『ホームレス状態からの「脱却」に向けた支援:人間関係・自尊感情・「場」の保障』 鈴木忠義 貧困研究 = 11 2013.12
自立助長を放棄した生活保護制度―2013年改革がもたらす影響 櫻井啓太 POSSE 21 2013.12
生活困窮者支援と地域福祉(特集 エンパワメントアプローチとしての地域包括ケア:主体形成と協働の視点から) 滝脇憲 地域福祉研究 (42) 2014
生活困窮者支援 人と支援と地域をつなぐ「よりそいホットライン」のこれから(シリーズ:反貧困・再生) 山屋理恵 消費者法ニュース (98) 2014.1
第2のセーフティネットとして自立相談支援事業等を実施:生活困窮者自立支援制度の内容と課題をみる 週刊社会保障編集部 週刊社会保障 68(2760) 2014.1
特集 新たな生活困窮者自立支援制度について 厚生労働省社会・援護局地域福祉課生活困窮者自立支援室 生活と福祉 (694) 2014.1
地方における生活困窮の実態(第2回生活困窮者問題シンポジウム 地方における生活困窮の実態:生活困窮者をどのように支えていくのか 記録) 済生 90(2)(通号1016) 2014.2
オール滋賀社協による生活困窮者支援の考え方と実践活動(特集 社会的包括と福祉教育) 谷口郁美 福祉と教育 (16) 2014.2
「一体改革」と生活困窮者支援(特集 社会保障制度改革のゆくえ) 宮本太郎 月刊福祉 97(2) 2014.2
グリーンコープの生活再生相談室から見える生活困窮者自立支援法:家計相談支援の現場から(特集 市民の心といのちに寄り添う) 行岡みち子 月刊自治研 56(654) 2014.3
生活困窮者支援―福祉事務所と関係機関・団体との連携― 岡部卓 生活と福祉 696 2014.3
生活困窮者自立支援法(特集 平成25年度「厚生労働省・援護局関係主管課長会議」から) 熊木正人 生活と福祉 697 2014.4
地方議員相談室から 質問に答えて 生活困窮者自立支援法について 議会と自治会編集部 会議と自治体 第192号 2014.4
生活困窮者と就労支援:問われる自治体の役割(特集 貧困) 西岡正次 更生保護 65(4) 2014.4
生活困窮者自立支援法の意義と問題点(特集 生活保護制度の現状と課題) 舟木浩 自由と正義 65(5)(通号785) 2014.5
老人施設部会による社会貢献事業:生活困窮者レスキュー事業(全国の実践家から学ぶ地域善隣事業:地域善隣シンポジウムの記録) 奥田益弘 財団ニュース 120 2014.5
生活困窮者の子どもたちのために:大阪市住吉区社会福祉協議会(人と人をつなぐ実践) 月刊福祉編集部 月刊福祉 97(7) 2014.6
法令解説 第2のセーフティネットの充実・強化に向けて:生活困窮者自立支援法の制定 時の法令編集部 時の法令 1955 2014.6
26年ホームレス概数調査 週刊年金実務編集部 週刊年金実務 第2097号 2014.6
ピープル「 ホームレス状態を生み出さない社会の扉を開きたい」 地域保健編集部 地域保健 2014.6
ルポ:変貌する女性の貧困 飯島裕子 婦人公論 2014.6
World Scope from 米国 失業率が低下してもホームレス急増のNY 米国は格差是正モード 松浦肇 週刊ダイヤモンド 2014/3/15 2014.3
経営マネジメントに学ぶ「どうしてホームレス者が屋根を望まないのに屋根を作るのか」 (特集コミュニティケアと多文化間精神医学) 森川すいめい こころと文化 第13巻1号 2014.2
台湾における社会救助法と遊民支援策 中山徹、山田理絵子 社会問題研究 第63巻 2014.2
ホームレス歌人に会いたくて (年末年始、「朝日歌壇」に次々登場) 三山喬 週刊朝日 2014.2.14 2014.2
流転の果てに見つけた人生 (「生きていればきっと笑える日が来る」北九州・元ホームレス一座) 粟野仁雄 サンデー毎日 2014.1.19 2014.1
「ホームレスによる農業」から広がるユニークな地域づくりの輪 (さいたまここに人あり) 菅田紀克 さいたまの教育と文化 No.70 2014冬
若年ホームレスの労働からの排除と生育家族の関連 野依智子 日本の社会教育 第57集 2013.9
ホームレス結核患者の服薬支援と治療成績に関する検討 松本健二、小向潤、笠井幸他 kekkaku 第88巻 第9号 2013.9
脱ホームレス支援からみたアジアンハウジングの最先端 (特集アジアン・ハウジング・ナウ) 水内俊雄 建築雑誌 vol.128 No.1648 2013.8
自立に向けて何が必要なのか―ホームレス就労支援 (人と人をつなぐ実践) 北海道◎社会福祉法人札幌明啓院 救護施設札幌明啓院 月刊福祉 June2013 2013.6

ホームレス自立支援センターにおける就労支援の在り方に関する調査研究報告書

平成26年度 厚生労働省社会福祉推進事業により実施した「ホームレス自立支援センターにおける就労支援の在り方に関する調査研究」報告書を掲載いたします。

◆内容

  • 第1章:センターの入所者と退所者の内訳とその傾向
  • 第2章:個票データ分析
  • 第3章:ケース記録分析・アセスメントシート分析
  • 資料

PDFファイルはこちらからダウンロードしてご覧いただけます

 

生活困窮者へのパーソナルサポート付ステップアップハウス事業 報告書

平成26年度独立行政法人 福祉医療機構 社会福祉振興助成事業により実施した「生活困窮者へのパーソナルサポート付ステップアップハウス事業」報告書を掲載いたします。

◆内容

  • 巻頭言:ステップアップときわハウスの運営
  • Ⅰ.運営と連携
  • Ⅱ.成果報告
  • Ⅲ.ときわハウスのソーシャルワーク
  • Ⅳ.インタビュー
  • Ⅴ.心強い仲間たち

PDFファイルはこちらからダウンロードしてご覧いただけます

◆ときわハウスについてのお問合せ

  • ホームレス資料センター
  • 電話番号:03-6905-8656

◆カンパのお願い

  • ときわハウスは、光熱水費や食材などの財源が不足しています。
  • ぜひカンパのご協力をお願いいたします。
  • 宛先:郵便振替 0018-8-710777 特定非営利活動法人ホームレス資料センター
    *振替用紙に「ときわハウスへカンパ」と明記ください。

ステップアップときわハウスの運営について

ホームレス資料センターは、平成23年の設立以来、調査研究が主な事業でしたが、平成16年から5年間実施された都区による「地域生活移行支援事業」で、当事者の方がアパートに移行して生き生きと自分らしく暮らされるのを目の当たりにしていたので、当事者の方とともに創意工夫し行動する事業も実施したいと願っていました。

独立行政法人福祉医療機構の助成金をいただき、TENOHASIをはじめ東京プロジェクトなど様々な団体のご協力を得て、ときわハウスを運営できていることをとても嬉しく思っています。

「ステップアップ」とは、家のない状態から、地域での安定した生活に一歩一歩近づいていくことを指します。

ときわハウスに入居なさった方に、パーソナルサポーターが次の目標設定の相談にのっています。パーソナルサポーターとは、平成23年から内閣府において実施された「パーソナルサポート事業」の個別的・総合的・継続的な相談にのる相談者のことです。

困難を抱えている方の話を傾聴し、解決に向かってともに「プラン」を作成し、社会資源につないだり、援護機関に同行したりして継続的に、困難が複数あっても総合的に、その方と信頼関係を築いてサポートしていく人のことです。

開設以来、多数の方がときわハウスを通過していかれました。一方で、当初から住んでいる方もいらっしゃいます。

約4. 5畳の鍵のかかる個室と共用のリビング・ダイニング、シャワーという設備なのですが、共用部分があるからというのではなく、食事はいつもいっしょにするなど、入居されている方たちのお互いの交流も図っています。

入居の方たちも、静かにゆったり暮らしておられます。1週間で黙って出て行かれた方もいらっしゃるのですが、また、どこかでお会いできることでしょう。住む場所は変わってもときわに顔を出してくださる方もいらっしゃるし、サポーターが、移転先に訪問したり面会に行ったりして関係が継続している方のほうが多いです。

家のなかった方が地域に参入して安定した暮らしを営んでいくには、まだまだ地域にも変わってもらわなければならないし、社会資源も十分ではありません。そんな状況でも、ときわハウスには実にたくさんの方が関わって支えてくださっています。

私たちは、地域のネットワークの構築にも努めています。さらに、家を失っている方に、ともに将来の展望を模索することもなく、ただ、入居させているだけというシェルターも多く存在する中で、ときわハウスは新しい支援方法を確立しようとしているのです。

ときわハウスにいらした方が、自分らしくその後の人生を歩んでいかれるよう、地道でしっかり根を張った活動を続けていくつもりです。

最後になりましたが、ときわハウスを支えてくださるたくさんの方に心よりお礼を申し上げます。

生活困窮者へのパーソナル・サポート付ステップアップハウス事業

平成27年度下半期に、「生活困窮者へのパーソナル・サポート付ステップアップハウス事業」の助成金を「独立行政法人福祉医療機構」から得て、池袋駅前にシェルター(「ときわハウス」)を開設することができました。
池袋で長年活動している「TENOHASI」にたいへん協力いただいています。(「ともに安心の場所をつくる」-ときわハウス報告書)
約4.5畳の個室であることがシェルターとしては画期的です(5室)。
利用者がシェルターを経てさらに安定的な場所に移っていかれるよう支援しています。
「パーソナルサポート」は、「ホームレス地域生活移行支援事業」の生活サポートの業務を踏襲しています。

池袋では、TENOHASIが毎週欠かさず夜回りをしておられ、路上で夜を過ごさなければならない方に多数出会います。
ネットカフェなどで暮らしておられる方も多いと推察されます。
ホームレス状態を解消するには、生活保護、自立支援センター、東京チャレンジネットなどを利用するのですが、地元の福祉事務所に生活保護申請すれば、ときわハウスの入居者も含めて、地区内の大型の無料低額宿泊所に入所するよう指示されます。
これを回避するため、ときわハウスでは、遠隔地の個室の宿泊所に行ってもらっています。
障がいなどのために劣悪な宿泊所に行くことができず路上生活を続けておられる方には、世界の医療団・べてぶくろ・訪問看護ステーションKAZOCが障がい者の施策を駆使してグループホームやアパート入居をサポートし、訪問看護や介護、居場所を運営して地域での生活を支えておられます。

ときわハウスは、建物が共同ダイニングであるため、共同居住の様相が濃くなり、入居者どうおしの交流も深まりお互いの今後について話し合ったりなさり、ホームレス状態を経験なさった方々にとってまさに「安心できる」場所になっているのではないかと思います。

今後は障がいを持たないホームレスの方も宿泊所を経ずに地域生活が開始できる道筋をつけたいものです。

2014/10/5 シンポジウム「生活困窮者の就労支援を検証する」報告

台風の中、90名の方々にご参加いただき、無事終了しました。
ご参加いただいた皆様、ありがとうございました。
津富さん1
布川さん15人

当日、時間の都合上答えていただけなかったご質問

津富さん

Q1.
「行政や助成団体に事業を依存しない」ということですが、寄付金も景気の影響を受けるので、不安定ではないですか。
公的支援に依存しないでやっていけますか。
A.
寄付金にも依存しないように、ボランティアの力を借りて、できる限りお金をかけないことを目指しています。
時間とエネルギーという寄付を受けていると言ってもよいです。


Q2.
「出口開拓」の秘訣があれば教えてください。
A.
地域の友人として付き合うということです。
お願いせず、屈託なく、仲間を増やすということです。

9/7シンポジウム「生活困窮者の就労支援を考える」報告

写真は当日の佐藤洋作氏の発表。一番手前は韓国のパク氏

写真は当日の佐藤洋作氏の発表。一番手前は韓国のパク氏

第一部はイ・ウネ氏による講演で、民主化後急速に発達した韓国・ソウル経済の中で出てきた課題にどのように対応してきたかを話して頂きました。
韓国の経済が100名の村だったらという仮定で経済を見てみると、経済活動をしているのは59名で、このうち上場企業(輸出型の大企業;サムスン・ヒュンダイなど)に勤めるのはたった1名になる、たった100名中1名が勤める企業がうまくいけば、自分の生活も良くなると信じているのか?という問いかけから始まりました。

同様に、第二部のパネルディスカッションでもパク・チュンソプ氏がダントツの経済規模を持つソウル特別市とその周辺に位置する忠清南道を例に取り上げながら、経済開発の実態が、本来あるべき姿からかけ離れた形をとっている現実を説明、それはいみじくもその前にイ・ウネ氏が説明した、おかしな国の経済学を裏付けるようなデーターでした。
忠清南道のGRDP(域内総生産)は伸びているのに、忠清南道の就業者数は減っているのです。
このような経済発展は明らかに問題を持っています。
そこで忠南社会的経済支援のため各界が協力して、持続可能発展、社会的発展チームを創ったそうです。
同時に日本ではあまりなじみの無い、自活企業・社会的企業の働きを紹介してくれました。

次に日本からは厚生労働省の友藤課長から新たな生活困窮者支援制度の創設の説明があり、船岡氏からは大阪の行政という現場から、地域や地方自治の視点で「生活困窮者支援制度や労働行政の在り方を考える」と題して、大阪パーソナルサポート事業から見えてきた生活困窮者支援の諸課題の報告の一部を紹介して頂きました。

日本の民間からは佐藤洋作氏が父母らが創った塾を母体に不登校児のための支援を過去40年にわたって展開してき、そのなかで中間的な働き場創りを行っていると報告してくださいました。
佐藤氏が紹介なさったある若者の「結果として、自分はひよっとしたら、この社会で歩いていけるのかもしれないというか、という風に思えたのが何よりの気づきだったというように感じております。」という言葉は聞く者に深い感動と今この社会が直面している現実を垣間みさせてくれました。

京都の高橋尚子氏より、京都自立就労サポートセンターの就労支援の取り組みを紹介して頂き、又自ら立ち上げたCommunity Cafeでの就労体験等や京都府ジョブトライ事業/CSR型ステップアップ事業などの中間的就労を実施しておられる様子を見せて下さいました。

最後に北九州ホームレス支援機構の森松氏より、北九州における生活困窮者に対する生活自立を基盤とした就労準備、社会的就労提供、子供に対する学習支援のための伴走型支援の説明がありました。
伴走型支援に関してはすでに先端を行っている感のある北九州ホームレス支援機構でしたが、子供の(生活保護受給家庭の)学習支援に取り組みはじめているのは、印象的でした。
路上のホームレスの数は減りましたが、貧困は目に見えない形で日本を侵食しつつあり、それは家庭の教育にあらわれていると思います。
貧困の持つ負のスパイラルには教育がからんでいるので、この試みは子供の教育支援を通して世代間に繋がる負のスパイラルを断ち切る可能性を見られるかもしれないと感じさせました。
そして、何よりも「事業の終了した後も、居場所のない状態をつくらない」という部分は人は一人では生きていけないという本質的理解を表している気がしました。

当日の参加者からのご質問

本来であれば、各パネラーに会場の参加者からの質問が取り上げられ、それが話し合われるはずでしたが、本当に残念なことに時間がなく15名の方からのご質問は会場では話し合われませんでしたので、ここでいくつかをご紹介してみたいと思います。


☆若者ホームレス、若年の不安定居住者に対する、中間的就労を組み入れたパーソナル・サポート型の自立支援を7年間やってきましたが、中間的就労と一般就労の間には、入り口だけではなく入ってからのから壁も立ちはだかっていることを実感してきました。
中間的就労から一般的就労に移行した際に、支援者側と企業側双方に障害者支援策のようなジョブコーチ等の支援施策が必要になると考えていますが、どうでしょうか?

コメント:
ライフサイクル別、問題別の就労支援制度を横断的にすることが急務である。
これに取りかからないと、就労困難者の就労は進まない。国が対象者を何らかの訓練を必要とする者という視点を変え、1人の労働者、市民としての権利を高めるための施策を現場の活動を反映させたものとして創り上げねばならない。


☆生活困窮者の就労支援の中で、安易にNPO等の民間との連携をしていくなどと記載されているが、民間団体がそのような支援事業を行っていく、行いやすいサポート、体制創りも必要なのではないでしょうか?

☆日本では自治体、福祉事務所などが仕事が増えるのを嫌がって貧困者を押しつけあったり、サービスをよくすると人が集中してしまうために横並びになりがちです。韓国では如何でしょうか?

コメント:
韓国の場合、1996年から市民運動団体及び福祉関係団体が進めてきた‘脆弱階層生産共同体育成活動’を調査し、それを政策的に反映する論議をし始めた。
保健福祉部のモデル事業として‘地域自活支援センター’事業を始めた(全国5箇所指定、脆弱層共同体仕事創出及び創業支援)。
1998年金大中政権は‘生活の質向上企画団’を設立しこの地域自活支援センタ事業を評価した。
2000年‘生活保護法’が‘国民基礎生活保障法’に改正され、政府から生活費を支給される人が働く機会と仕事場をつくる‘自活給与’を提供する事業を始めた。
さらに全国的に地域自活センターが設立され、公務員が仕事を通じて’貧困脱出支援業務’を法的根拠をもって推進するようになった。
つまり、市民運動団体の実験的な事業開発とそれを制度化する努力の結果だと思う。


☆韓国ではアメリカとの自由貿易協定を結びましたが、その後、韓国内ではどのような状況がでてきているでしょうか?
韓米FTA以降、農業、中小企業、国内の自営業者などは経済的危機が日常化されている。
グローバル市場に進出している大企業には役に立つと思う。それで農業や自営業者支援政策は強化されている。
農村地域の圏域開発支援事業、または同種の自営業者5名が設立した事業組合に事業資金2億ウォンを支援する制度などがある。
農民、自営業者は 危機に対抗するために、協同組合、協同物流社会的企業などを設立したりしている。

☆そして今後経済が国際的に自由化していく中で社会的企業への必要性は高まってくるのでしょうか?

コメント:
経済自由化の基になった新自由主義の拡大により、大企業と中小企業の間の所得格差が拡大された。
また階層間の所得及び仕事の質の両極化など多くの社会問題が発生している。
そして、このような両極化問題にたいする対案として‘より社会統合的で経済民主主義を実践できる経済手段はないのか’という政策的な課題があり、社会的企業、協同組合の社会的必要に関する共感が大きくなっていくと思う。


☆社会的企業を広げるということは、経済が国際化していくことに対して、どのようなことを発言し、意味をもってくるのか?

コメント:
社会的企業は内需景気の活性化にまず注目する。
国民は所得両極化と未来に対する不安により消費をしない、ソウルではない非首都圏地域経済はもっと悪くなる状況に陥る。
そして、社会的企業のように地域住民が協同出資し、需要がある事業体をつくり、地域内で循環できる付加価値を生産、雇用を増やすのはすごく意味があるという評価をしている。
韓国経済は今まで輸出中心の大企業中心の発展をしてきた。
このような成長は市民経済に役に立たない‘雇用なき成長‘をもたらしたと思う。


☆日本でも自殺の問題は深刻ですが、韓国で永久賃貸アパートに入居した地域の方の中で10名の方が自殺されたのは、どのような理由と分析しておられますか?

コメント:
韓国も日本のように高齢化、核家族化が進展し、高齢者の‘孤独死’が増加している。
しかし、永久賃貸アパートでの多くの自殺は地域コミュニティの崩壊によるものだと思う。
つまり、近隣の助け合いがない‘無縁社会’になったからだ。所得と生活の両極化は相対的な貧困と剥奪感、孤立感を与える主な原因であると思う。


☆社会的企業育成法の制定という形で、政府が脆弱階層への支援に乗り出している点では、とても進んでいるという印象を受けます。
市民の方々は、これらの事業や、そこで働く人々(当事者・サポートするスタッフ)に対しては、どのような意識を持っているのでしょうか?(まだ「特別なこと」という感じなのか、「自然なこと」としてみているのか…)

コメント:
2007年社会的企業育成法が施行されるまで、市民と政策担当者との共感を得るために、市民団体は様々な努力をした。
私も社会的企業を支援する財団(共に働く財団)でTV放送局と協力し、‘失業克服キャンペーン’が放送されるように、常に資料提供と現場紹介をした。
また、番組のレギュラーとして参加し、全世界の社会的企業の事例を紹介したりした。
このような努力と法制定の結果、現在社会的企業に対する認知度は50%を超えている。
‘脆弱階層がプライドを持って働く仕事場’、‘良い企業良い仕事’という世論をつくることができた。
そして、2009年からソウル市ではバスと地下鉄広告を利用し、社会的企業と協同組合を広告している。
それにより、ソウル市民の認識と支持がもっと高くなった。(N)

ケア付き就労をはじめとする福祉的手法を通じて 調査報告書

厚生労働省平成25年度セーフティネット支援対策等事業 社会福祉推進事業として、当センターが受託したケア付き就労をはじめとする福祉的手法を通じて 調査報告書です。

PDFデータとして公開させていただきます。

◆内容

  • 第1部:ホームレス就労支援のモデル事業調査【分析編】
  • 第2部:ホームレス就労支援のモデル事業調査【資料編】
  • 第3部:ヒアリング調査記録

PDFデータ:こちらをクリックすると新しいウィンドウ/タブで表示されます。