ホームレス資料センター

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〈ときわハウス〉の取り組みを終えるにあたって

ときわハウスは2016年3月末に閉寮しました。
以下が「ともに安心の場所をつくるNo.2 ときわハウス報告書
パーソナルサポート付ステップアップシェルター事業」に掲載した閉寮のご挨拶です。

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〈ときわハウス〉の取り組みを終えるにあたって

運営委員会委員長 山路憲夫(白梅学園大学教授)
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安定した住まいを持てない都内に暮らす不安定居住者、野宿者を対象にした〈ときわハウス〉事業を2014年10月からスタートさせてから、この3月でとりあえず幕を閉じることになりました。
役割を終えたからではありません。むしろさまざまな課題がより浮き彫りになり、個別支援ができるこうした中間支援施設の役割を今後どう担っていくのか。
それをここらへんでいったん立ち止まって、仕切り直しで考えていこうという意味の小休止です。

格差が広がっています。戦後70年余りの間に、自立困難な人々を支える法律、制度は確かに整備されてはきました。
しかし、それだけでは支えきれない制度の谷間にある人々、例えば、今回の私たちの〈ときわハウス〉事業の対象としたさまざまな障害を抱え、安定した住まいを持てない人々は逆に増えているのではないか。
この取り組みの中で、そんな思いがあります。

〈ときわハウス〉のステップアップ事業とは、共同居住仕様のアパートを借上げ、安定した住まいを持つことのできない人に無料で一定期間提供し、その間に入居者が地域で安定した生活が送れるようパーソナルサポーターが本人とともにステップアップ計画を作成。
このステップアップ計画に基づいて、パーソナルサポーターおよび相談員は、関係機関への同行、社会資源の紹介などを行い、入居者に安定した住まいへの移行を果たしてもらうことを目的としたものです。
住まいを提供するだけでなく、パーソナルサポーターがつくことにより次の仕事や住まいを見つけるための生活支援をしたのが、この事業の大きな特徴です。

部屋の賃貸契約とともに、ステップアップ計画を本人とともに作成し、この計画をもとにハウスでの生活を送ってもらう。
世話役的な管理人およびソーシャルワークにあたるパーソナルサポーターを配置。
都内のホームレス支援団体で支援経験のある精神保健福祉士が週5日常駐し、アシスタントパーソナルサポーターも週4回派遣しました。

この一年半での〈ときわハウス〉の利用者は時期によってばらつきもありましたが、ほぼコンスタントに5人の利用者がいました。今年度の総利用者数は34人。
現在もなお支援を続けている利用者は、退所者も含めて約半数の16人に上ります。年齢・稼働能力・生活能力は様々でしたが、ほとんどの入居者が、生活保護受給を経験してはいるが、中には受給できるのに受けていない人、精神障害があると思われるのにきちんと受診したことがない人もいました。
なぜ再び生活困窮に陥ったのかを本人とともに探り出し、これから自立して安定した生活ができるよう福祉事務所や自立支援センター、チャレンジネットなどと連携し、支援方法の改善を提案してきました。
途中で失跡した人もいました。なかなか働くところまでいきつけない人々も少なからずいましたが、さまざまな事情を抱える不安定居住者、野宿者だからこそ、個別的包括的な支援の必要性を感じさせられたケースがほとんどでした。

こうした人たちこそ行政が、法律制度に基づき支援することが求められるのに、現実には、正にそうした人々を個別包括的に支援する仕組みがない、制度の谷間にあることを実感させられた1年半でした。
生活困窮者支援法もでき、相談窓口も各市町村に開設されましたが、現実には機能しているとはまだまだ言い難い現実があります。
市町村に個別的包括的援助ができる専門職が少ないこと、相談窓口の開設だけではなく、地域でそうした人々に手を差し伸べていく地域に根差したきめ細かい取り組みが求められます。
この「ときわハウス」の取り組み報告をこうした形でまとめることにより、不安定居住者の個別的包括的支援の必要性を受け止め、それぞれの地域で生かして頂ければと切に願う次第です。

最後にこの1年半、直接支援に関わって頂いたスタッフの方々の労苦に心からお礼を申し上げたいと思います。

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